イラストコラム

精神的に絵が描けない時の気持ちの整理の仕方

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絵が辛くなるのは、「好き」「得意」「評価」「お金」のバランスが崩れている時が多い。

生きがいマップというものをご存知だろうか?「好きな事」「得意な事」「求められる事」「お金になる事」全てを満たすものが「生きがい」である、という考え方だ。(興味がある方はググってみてほしい)それを絵に置き換えて、まとめてみた。

好きな絵

描く工程が好きな絵。ついつい長い時間かけてしまったり、こだわったりしちゃう所。(見てて好きな絵と、描く工程が好きな絵が別々の人もたまにいる。)

得意な絵

人より秀でている絵。他の人が描くのに満身創痍になるところを、20%の力でやってのけてしまうなど、俺つええ状態になる絵。

みんなが見たがる絵

SNSで「いいね」がたくさんつく絵。みんなに「描いて!描いて!」とねだられる絵。

お金になる絵

売れる絵。

上記4つを全て満たすと、絵が生きがいになっている状態になる。逆にバランスが崩れていると、悩みが生まれがちになる。

例えば、

  • 「好きで得意な事なんだけど、誰からも見向きもされなくて、コレやってて意味あるのか?となる」
  • 「好きな事で仕事始めたけど、不得意な事だから、働いても働いてもお金も時間もなくてキツい」
  • 「得意な事で周りから求められてるけど、自分はあまり好きじゃなくて、やってて虚しくなる。」

などなど。

円の外側に行くほど、上記ような悩みは、強くなっていく。では悩みが発生した時どうすれば良いか、一つ一つ整理していく。

得意な事なんだけど、好きじゃない仕事を頼まれた時

お金のためと割り切れるかどうかが要点になる。ここで一生懸命になっても、人間、好きじゃない事をやり続けていては、いつか心が摩耗する。休日をきちんと取り、自分の好きな絵を描く時間を目一杯取って、心に栄養を与えることが必要だ。せっかく人より秀でていることなので「少ない時間と労力で、効率的に稼げるだけ稼ぐ」くらいの心持ちで向き合うのが良いだろう。

好きな事なんだけど、得意じゃない仕事を頼まれた時

かかる苦労に見合う金額の案件だけ受けるようにすることが望ましい。安い報酬しか提示されていないのに、高い水準を求められていては、リテイクの嵐に巻き込まれ、貧乏暇なしに陥るのは必至となる。仮に、お金が必要なのであれば、不得意なことで稼がず、他の手段で稼ぎ、余った時間で不得意なことにチャレンジしていくことが望ましい。

得意な事がまだない時

絵を始めたばかりなどで、得意な事がまだない時期には、色々なことにチャレンジして、自分の好きな絵を探すのが吉。「好きこそものの上手なれ」とは言うが、好きなことは、努力を我慢と感じず、熱中して、いつの間にか人より得意になっているもの。

仮に熱中できるものがない場合は、好きなことを広げていくことをお勧めしたい。なぜなら、応援してくれる人が見つかりやすいからだ。「あなたの絵をまた見たい!」と言ってくれる人がいれば、励みになる。好きなことが幅広ければ、自分と似た感性の人が見つかりやすい。そうすれば、自分の絵を見たいと思ってくれる人も見つかりやすくなるだろう。

好きな気持ちが育つのは時間がかかるもの。様々なことに興味を持ち、体験し、そこで感じた自分の気持ちを大事に育てていくのが良いだろう。

学びに必要な環境

応援してくれる人がまだ少ない時に、上達しようとして、無理をするのは禁物だ。好きな気持ちを育てる前に、絵を嫌いになってしまっては元も子もない。「好きこそものの上手なれ」どころではなくなってしまう。

例えば、まだ得意分野ができていない頃に、いきなり神絵師のいいね数やフォロワー数を目標に据えたりすれば、よっぽどの気概や動機がなければ、筆を折る結果になりかねない。

みなさんは「コンフォートゾーン」という言葉をご存じだろうか?よくビジネスシーンで「コンフォートゾーンを抜け出せ」という感じで使われる。「コンフォート」自体は「快適な空間」という意味となる。これを元にした上達のための考え方、というものがある。

コンフォートゾーン

既に持っているスキルで対処でき、成長がない

ラーニングゾーン 

程良いチャレンジで、学びに最適

パニックゾーン

ストレスが多く、ポジティブな学びを得られない

絵が上手くなりたいからと言って、自分の絵を好きと言ってくれる人が1人もいない状態で、神絵師ばかりをフォローし、神絵師が膨大ないいねを稼いでいるのを横目に見ながら、万バズを目指して絵を描くことは、パニックゾーンに身を置いているようなものである。

自分の絵を見たいと思ってくれる人がいたり、身の回りに自分を励まし応援してくれる人がいる状態で、初めてラーニングゾーンに入り、新たなことにチャレンジできる。

好きなものがまだ見つかっていない時は、コンフォートゾーンに留まり、「自分の好きという気持ち」を育てる時間に当てて行ったほうが良いだろう。

  • この記事を書いた人

森武絵辰

福岡生まれ福岡育ち。布団と小説が、三度の飯より好き。

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