結論、イラストが上手くなるまでにかかった枚数は300枚だった。
仮に、週2枚描く時間が取れたとしたら、( 300枚 × 2.5日 ) ÷ 365日 = 2年 かかることになる。
私の場合は、定期的に描く時間を取らなかったので4年かかった。
最終的には、Vtuberに絵が採用されたり、Twitterでは最大1.2万いいねまでつくようになった。
上記のようにイラストが上達するまでの体験を備忘録がわりに記録しておく。
目次
絵を始めたきっかけ / 最初の1枚目
会社の同僚が、iPadが新しくなったという話題で盛り上がっていた。社会人になってから忙しくて無趣味だったが、仕事も落ち着いてきたので、絵でも始めようと思い立ち、iPadとApple pencil を会社帰りに購入して帰った。さっそく無料のお絵描きアプリをダウンロードした。
その週の休日に、家にある植物を描いた。
キャラクターイラストを描き始める / 2〜30枚目
子供の頃、アニメのキャラクターを見様見真似で描いていたことを思い出し、キャラクターを描き始めた。この頃は、気の向くまま、思うように描いていた。家族や友人に見せ、褒められ、嬉しくなって、また描く、という感じで、絵を描くことが習慣化していった。
人体が描けるようになる / 30〜50枚目
絵が楽しくなってきて、無料アプリでは機能が足りなくなり、他のお絵描きアプリを探していたところ、3Dポーザーと出会った。
ポーザーを使うと、自分の頭の中にある以上の絵が描ける事が楽しく、さらに絵にのめり込んでいった。
背景へ挑戦し挫折する / 50〜60枚目
ポーザーを使うと簡単に描けることを覚えた私は、背景にも挑戦しようと試みた。そこで部屋を作れるアプリをダウンロードした。
早速、アプリで部屋を作って、スクショを撮り、背景に合わせて、ポーザーでポーズを作らせた。しかし、人物と違って、背景は描くものが多く、色塗りまで気力が持たず、背景を描くことは挫折してしまった。
うまく描ける時と描けない時が出てくる / 60〜120枚目
再び人物のみを描くように戻ったが、描いていくうちに、上手く描ける時と、上手く描けない時が出てくるようになった。そして、上手くいく時、いかない時の差が、どこで出るのかが気になるようになっていった。
絵の印象を作り上げる要素を特定する / 120枚目〜160枚目
差が気になった私は、どこで差が出るのかを明らかにするために、実験して結果をノートにまとめるようになった。
人に見てもらう事を意識し始める / 160〜190枚目
差を明らかにしていくことによって、上手く描ける時と、描けない時がランダムだった所から、意図したように描けるようになってきて、満足した私は、研究にいったん区切りをつけることにした。
友人に絵を見せ始めた頃に、私は、友人に誘われてTwitterを始めていた。最初の頃は、友人からいいねをもらって、内輪で楽しんでいた絵だったが、その内、友人以外からもいいねがつくようになり、フォロワーも増えていった。そんな中で、より多くの人に見てもらう絵はどんな絵かを考えるようになった。友人はアニメ作品の二次創作をしていて、自分の何倍ものいいねをもらっていたので、私も二次創作を始めることにした。
二次創作を始めると、目論見通り、いいねは増えていった。描き続ける内に、Vtuber本人が自分の絵を紹介しているところに出会った。本人やコメント欄で自分の絵が褒められているところを見た私はとても満足し、二次創作にいったん区切りをつけることにした。
自分の好きな絵を探し始める / 190〜210枚目
二次創作では自分の好きなように描けないことが多々あった。好きなように描けない事がフラストレーションだった私は、自分の好きな絵とは何かを考えることにした。何枚か描いてみて、男性を描くことが好きだと分かったので、そこから、セクシー、クール、キュート、爽やか、の4つに分けて、実際に描いてみることにした。
描く時間が長くなっていく / 210〜220枚目
描き分けてみて、自分はセクシーな絵柄が好きだと分かったので、この路線で描いていくことにした。
この頃にはすっかり絵に真面目に取り組むようになっていて、初めはベッドの上でiPadとApple pencilで描いていたものが、デスクや板タブも買った。環境を整えてからは、長時間描けるようになっていった。
絵に成果を求めるようになる / 220〜300枚目
絵に真面目に取り組むようになってから、たくさんの時間と気力を注いでいた私は、趣味で描いていた絵に成果を求めるようになっていた。しかし、オリジナルイラストでは、高い画力と知名度がなければ、いいねをもらえない。二次創作でたくさんのいいねをもらえる事に慣れてしまった私は、少ない いいねでは、モチベーションを保てなくなってしまっていた。そこで、自分の描きたいものが描け、フラストレーションが溜まりにくいキャラクターを選び、二次創作を再開することにした。
ただ、自分の表現したいものが描けるキャラクターを選んだとしても、やはり二次創作では少なからず制限が出てくる。そのため、並行して好きなものを描く時間も少し確保し、バランスを取るようにした。
Twitterで万バズ
二次創作で見る人が喜ぶために描く時間と、自分の好きなように自由に描く時間のバランスを取るようにすることで、モチベーションを上手く保てた。好きな絵を描く時間を別で確保することで、二次創作の方では、自我を出さず、相手主軸で、喜ばれる絵、皆が見たい絵について集中して考えることができ、最終的にTwitterで万バズを取った。
絵が上手くなった大きなきっかけはなんだったのか?
ここまで振り返って、絵が上手くなった大きなきっかけを考えてみると、3つあったように思う。
- 最初は内輪にしか見せていなかったこと
- 資料を用意するようになったこと
- テーマを考えるようになったこと
1. 内輪にしか見せなかった
最初の内は、家族や友人にしか絵を見せなかった。TwitterやPixivで他の人の絵を見る時間もほとんどなかった。そのため、描くたびに周りの人から褒められ、絵を描くことが好きになった。上手く描けないことがあっても、他人と自分の才能の差に原因を求めることなく、大学でレポートを書く時と同じ要領で、上手くいかない原因を論理的に考え、絵の仕組みを調べる事に集中できた。結果、調べる度に絵が上手くなっていき、絵というものは才能ではなく、調べれば上手く描くことができるという価値観が固まり、その考え方が上達への足がかりになっていた。Twitterのいいね数を見るようになった頃には、既に絵を研究することが当たり前になっていて、挫折しにくいメンタルが整っていたように思う。
2. 資料を用意した
絵を描き初めすぐの頃に、3Dポーザーを使うようになったことは、私にとってとても大きかったように思う。3Dポーザーや写真を見て描いていたので、描きたい絵があるのに思うように描けなくて、まごつくようなことがなかった。絵の魅力は、立体を正しく描くだけでは作れない。立体を正しく描く段階で躓かず、すぐに魅力作りの方に手をつけられたことは、大変良かった。
3. テーマを考えるようになった
絵を勉強するまでは、人が立っていたり、座っていたりしているところをただ描いていたり、顔の横にちょっと手を置いただけの絵が多かった。
しかし、いくら人物が上手く描けても、それだけでは、魅力的な絵にはならない。絵を真面目に勉強するようになって始めて、テーマの重要性を理解した。ポージング、構図、配色など、絵を描くテクニックは数あれど、それ単体では意味をなさない。テーマがなければ、どのテクニックを選ぶかの判断基準がないからだ。テーマがあって、与えるべき印象と、誘導すべき視線が定められ、そこで始めて、どんなポージング、構図、色、デザインにすべきかを決められる。ここを理解してから、絵がガラッと変わっていったように思う。
以上が、私の絵が上手くなるまでの振り返りだ。この備忘録がこれから絵を始める人の一助になれば、嬉しい。